辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 再び戻ろうにも、夜は明かりが少ないせいで視界が悪く、ますます迷うばかり。

「もっと明るかったらよかったのに……」

 火の妖精の加護を受けているのは王族だけではない。

 城自体にも妖精の祝福が作用しているようで、触れても熱くない光源としての炎がちらほら灯っている。

 妖精の祝福とはいえ限界はあるのだろう。城の中はともかく、その庭園までは恩恵を受けられなかったようだ。

「あら、こんなところにネズミがいる」

 そんな声が聞こえ、リティはほっとしながらそちらを振り返った。

「よかった、迷子になってしまったの。西の邸宅に戻りたいのだけど、道を教えてくれない?」