辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 王都へ続く橋は夜になると門が閉じて行き来できなくなるため、行動範囲は城を中心とした敷地内だけになる。

 そうはいっても大しておもしろいものはない。

 城には当然入れないし、至るところにいる衛兵が無言の圧力を訴えてくるのも、早く与えられた邸宅の一室に戻ろうと思う要因だった。

 リティもまたほかの候補者たちに漏れず、自分の部屋へ戻ろうとした。

 人の多さや初めて飲んだ酒など、慣れない経験でいろいろと許容量を超えたからである。

 しかし、来た道をなぞっていたはずのリティは、気づけば見知らぬ庭園に迷い込んでいた。

「さっきのところは右じゃなくて左だった……?」