辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

(見えるものをすべて変えてしまうなんて、そんな能力があるの?)

 扱い方次第ではどんなことでも可能とする強力な能力を目の当たりにし、リティは自分の持つ力の弱さを悲しく思った。

「ありがとう。それでは次は……あなたにしよう」

 無意識にうつむいていたリティは、目の前が開け、自分が指定されたことを知った。

(デルフィーヌの後に私!?)

 彼女の後では、なにを言っても響かない気がしてならなかったが、黙っているわけにもいかない。

 リティは母の形見でもあるペンダントに手を添え、瞳の色と同じ石を握り締めた。

「私はリティシア・クロエ・ティルアークです。北東のクアトリーから参りました」