辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 袖には黄玉(トパーズ)が縫い付けられており、リティが手を動かすたびにちりちりと音を立てて揺れた。

 普段のリティならば絶対にしない格好である。なぜならいつも、動きやすく地味なワンピースを着ているからだ。

(それと、父さんにも)

 リティは自分の胸もとに手を当てた。

 父から渡された白い肌を飾るペンダントは、少し型が古い。

 トップにはリティの瞳と同じ色をしたしずく型の翠(すい)柘榴(ざくろ)石(いし)がついており、存在感を主張している。

(お母さんの一番のお気に入りのペンダント。……父さんの瞳と同じ色だからかな)