辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「貴族ならば、言葉の裏をお読みなさいな。なにもかも真に受けて、どう他国と渡り合うつもり? いずれ王妃となれば、わたくしたちも外交を任されるのよ。使者の申し出を疑いもせず聞き入れれば、この国が不利益を被るかもしれないでしょう」

 デルフィーヌの言葉は正しい。

 正しすぎるが、言い方というものがある。

「それなら私から名乗ればいいんでしょう。リティシアよ。リティとは呼ばないで。それは友だちと家族にしか許していない呼び方なの」

「頼まれても呼ばないわ。――デルフィーヌ・マルグリット・ルビエよ」