辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「初対面の相手に名乗りもせず、失礼な暴言を吐くのは教養があると言えるの?」

「まあ、本当になにも知らないのね。かわいそうなことをしたわ」

 不快そうな表情が一転し、デルフィーヌの顔に哀れみが浮かぶ。

「社交界では身分の低い者から名乗るものなのよ。この部屋にいる候補者たちは知らないようだけれど」

「家柄に言及しないっていうのが、この妃選びの約束事(ルール)なんじゃなかった?」