辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 最有力候補と言われているだけあって、実に華やかな雰囲気の美しい少女だった。

 リティとは対照的な鮮やかな金髪ときらびやかな青い瞳は、不思議と彼女が着たチェリーレッドのドレスとよく馴染んでいる。

 吊りあがった眦と、引き結ばれた形のいい唇が彼女の気の強さを示しているように見えて、リティは無意識に背筋を伸ばしてしまった。

「うん、まさかここまで五日もかかると思わなかったよ」

「……『うん』?」

 なにが気に障ったのか、デルフィーヌが上品に眉根を寄せる。

「その程度の教養でよく候補者として名乗りを上げられたわね」

 明らかに敵意のある物言いには、さすがのリティも顔をしかめた。