辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 ニナの瞳の色が青に近い灰色に変わる。

「あの……って言われても、ごめんね。私、あんまり貴族の常識に詳しくなくて」

「今回の妃決めの最有力候補って言ったら、伝わりますか?」

 横からエリーズが口を挟む。

「つまり家がすごく大きいとか、有名とか?」

「そうです。ここでは公平を期すために家柄について言及しないよう言われていますが、ルビエ家だけは別です。四大家門のうちのひとつですから」

 親切に説明してもらいながら、リティは自分の無知を恥じていた。

(ここへ来るまでの一か月間で、礼儀作法や公式の場での振る舞い方は学んだつもりだったけど、ほかの家門について覚えておくべきだったのね……)