世界中にふたりしかいないと錯覚するような時間の中で、ランベールはリティに自分の想いを告げた。
胸がぎゅっと締め付けられるのを感じ、リティは後ろを振り返る。
「ランベール様、私……」
「……あの日の続きをしたい」
初めて戦鳥に乗ったときよりも距離を近く感じるのは、心の距離が近づいているからかもしれないとリティは思った。
「私も……したい、です」
目を閉じたリティの唇に、あたたかな感触が落ちる。
「俺が生涯を共にしたい相手は君だけだ」
「私が一生支えていきたいのは、ランベール様だけです」
ふたりがこうしていられるのは、空の上にいる今だけだった。