辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 妖精と言っても、厳密には本物ではない。

 感情によって変わる七色の瞳と、人間より小柄な体躯を持つ一族をそう呼ぶだけだ。

(妖精族は好奇心旺盛で明るい人が聞いたけど、本当みたい)

 驚きから立ち直ったリティはニナに向かってにっこり笑いかけ、握手のために手を差し出した。

「リティシア・クロエ・ティルアークよ。みんなにはリティって呼ばれているわ」

「よろしく、リティ」

 ニナがうれしそうにリティの手を取り、握手に応える。

「もう一回言うけど、私はニナだよ。ニニでもいいけど」

「せっかくならニナって呼ばせてもらうね」