辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 丸い光がふわふわと浮かんだまま、リティに優しく語り掛ける。

 女声に聞こえるそれは声であって声ではなく、頭の中に響いていた。

「誰……?」

『あなた方が妖精と呼ぶものです』

 赤い光がリティに近づき、お辞儀をするように揺れた。

『私たちはあなたの力に従い、この時間を止めました』

『ここでなら本体も近くて説明がしやすいんでな』

 青い光から聞こえる声は低く、男性的だった。

「説明? 私の力を? 私は……花を咲かせる能力じゃなかったの?」

『お前は時を凍らせ、溶かす力を持っている。私たちふたりの力を併せ持っているんだ』