辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 そばにいたデルフィーヌを見るも、襲われるランベールを視界に捉えた絶望の表情のまま動かない。

 ブランシュに向かって駆けるジョスランも、ほかの騎士たちも、不自然な体勢のまま静止していた。

 もちろん、ランベールとブランシュも止まったまま動こうとしない。

 立ち上がったリティは、自分だけがこの空間で動けることに気がついた。

「な、に……なにが起きているの……?」

 思わずつぶやいたリティの前に、ぼんやりとしたふたつの光が浮かび上がる。

 片方は燃えるように赤く、もう片方は凍りそうなほど冷たい青い色だ。

『こんにちは、私の愛し子』