辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「でもここには、直系の王族がいる。この国唯一の後継者が」

 最後の力を振り絞ったブランシュがランベールに向かって飛び込む。

 雷と化し、その速度で移動するブランシュを止められる者はいなかった。

(嫌……だめ)

 見ていることしかできなかったリティは、光がランベールを貫く瞬間を強く否定した。

(止まって(・・・・)――!)

 最悪の事態を逃れるために願った瞬間、辺りを包んでいた轟音が消え失せた。

「え……?」

 ありとあらゆるものが止まっている。

 まるでこの一瞬を切り取ったかのようだった。