辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「この国は間違っているのよ! 作り変えねばならないの!」

 悲鳴に似たブランシュの絶叫に、リティは少しも賛同できなかった。

(その手段がみんなを傷つけること? だとしたら間違っているのはあなたよ、ブランシュ)

 デルフィーヌを壁際に追いやる頃には、息を切らしたブランシュが騎士たちに囲まれていた。

「その力にも限界があるだろうに、後先考えずに使いすぎたな」

 ブランシュを追い込んだジョスランが、刃のない剣を構える。

 否、本来刃があるべき場所には風が渦巻いていた。

「戦闘慣れしてない奴の典型的な失敗だ。諦めな」

 刃がなければ、対処する術がない。