辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 縦に伸びた炎の渦は蛇のように動き、ブランシュめがけて飛びかかった。

「わたくしに汚らわしいものを向けないで!」

 ブランシュが目にも留まらぬ速さで炎を避け、逃げる。

 既に騎士たちによって候補者が避難しているとはいえ、すさまじい熱量の炎だった。

「フィー、立てる? あなたも離れていたほうがいいわ。一気に力を使って疲れたでしょう?」

「結局、わたくしは役に立てなかったのね……」

「ここまでブランシュを追い詰めたのはあなたのおかげよ。無理はしないで」

 リティはまだ身体が痺れているデルフィーヌに肩を貸し、彼女を安全な場所へ連れていこうと移動する。