辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「そこにいるあなたは幻影だったってことね、デルフィーヌ?」

 候補者たちの横にいたデルフィーヌの姿がゆらりと揺れて掻き消える。

「役に立たないとは言わせなくてよ」

「でも、私を捕らえておく力はないわ」

 先ほどよりも激しくばちんと音がして、ブランシュの身体が白く発光した。

「きゃあっ!」

 思わずブランシュの拘束を解いたデルフィーヌが膝をつき、自分の手を見つめる。

 雷による攻撃を受けたのか、その手は麻痺によって痙攣していた。

 その瞬間、広間がぐにゃりと揺らいで見えている景色が変化する。

 炎の妖精が入っているとされたガラス玉はどこにもなかった。