辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 それを聞いてリティは思い出した。

 この国には多種多様な種族がおり、文化や宗教観も様々だ。

 その中には炎を信仰するものもあれば、氷を信仰するものもある。

 思えば、ブランシュは初めて話したときにも氷に覆われたクアトリーを褒め、氷の妖精がいるのなら会ってみたいとうれしそうに語っていた。

「だから氷よりも炎のほうがいいと言っても、最後まで残してあげようと思ったのよ。まさかデルフィーヌの代わりにお人形さんに襲われると思わなかったけれど」

 リティの心臓がどくんと音を立てる。