辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「……だから、わたくしをフィーと呼んでもいいわよ。友だちにはそう呼ぶことを許してあげるの」

 リティは目を大きく見開くと、うれしそうに破顔した。

「じゃあ、リティって呼んで」

 かつてリティはデルフィーヌにその呼び方を許さなかった。

 しかしもう、ふたりの関係はあのときと違う。

「ごめんなさいね、リティ。今までのわたくしはとても嫌な女だったでしょう?」

「私だって負けていなかったはずよ。だから謝らないで」

 友情をたしかめるために、ぎゅっと抱き合う。

 リティは少し前の自分に、デルフィーヌと友だちになれたのだと自慢したくなった。