辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「じゃあ……手紙も私が書いたものじゃないって思ってるのね……?」

 再びデルフィーヌがうなずく。

「あの場で言えたらよかったのよ。でも、私……」

 泣き止んだかと思いきや、またデルフィーヌの目に涙が浮かぶ。

「言えなかった……。庇えるのはわたくしだけだったのに……」

「……それはイーゼル卿が君のルビエ家と懇意にしているからか?」

 ふたりを見守っていたランベールが静かに尋ねる。

「そうです。……父はわたくしが確実に妃になるよう、手を講じています」

「やはりな」

「えっ……」

 リティにとっては寝耳に水の話だった。

「第一候補って言われているのに?」