辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 クルル、と鳴いたヒューイが目を細めてリティに甘える。

(もう『小さいリティ』じゃないわ。みんなのために、私にもできることをするの)

 リティもまた、ヒューイの羽毛に顔を埋めて決意を固めた。



 ロベールがティルアーク家を訪れてから、あっという間にひと月が経った。

 急遽、妃候補として王都へ向かうことになったリティに準備期間はほとんどないようなものだったが、彼女は特に気にしていなかった。

 持ち込み可能な私物は主に着替えだ。

 もしもリティが一般的な令嬢だったなら、どの服を持っていくか悩む時間にひと月使ったかもしれない。