辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「みんなの前で、あんなひどい真似……あなたがあのふたりを傷つけるはずないのに……」

 デルフィーヌの艶やかな髪を撫でていたリティの手が止まる。

「私を信じてくれていたの……?」

 デルフィーヌは涙を流しながらこくりとうなずいた。

「だって仲良しだったじゃない。いつも楽しそうにお喋りして……」

 ひくりと喉を鳴らすと、デルフィーヌは自身の目もとを拭う。

「昨夜、あなたが襲われたのはきっとわたくしのせいよ。あの手紙の持ち主をたしかめてやろうと思ったのだけど、途中で帰ってしまったから。そのせいで追いかけてきたあなたが襲われたんだわ」