辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 室内に用意された椅子をランベールとデルフィーヌに差し出すも、デルフィーヌは座らず立ったままでいる。

「立ったままじゃ落ち着かないでしょう?」

「……わたくしのせいだわ」

 デルフィーヌが震える声とともに涙を流したのを見て、リティは息を呑んだ。

「デルフィーヌ」

「ごめんなさい……」

 顔を覆って泣き出したデルフィーヌに困惑しているのは、ランベールも同じだった。

 視線で助けを求められたリティは、ランベールにうなずきを返してからデルフィーヌを抱き締める。

「泣かないで。説明してくれないとわからないわ」