辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

(この後、どうなるのかしら。クアトリーに戻されるとして……)

 思考に逃げようとしたとき、扉を叩く音がした。

 ぎくりとしたリティだったが、眠っている振りはせず、扉の向こうに返事をする。

「どちら様でしょうか?」

「俺だ」

「ランベール様……?」

 もう話せないかもしれないと思っていただけに、突然の来訪はリティをひどく驚かせた。

 慌ただしく扉を開けると、なぜかランベールだけでなくデルフィーヌの姿もある。

「デルフィーヌまで、どうして……」

「ちょうど扉の前で鉢合わせたんだ。君に話があるらしい」

 不思議に思いながらも、リティはふたりを部屋に招き入れた。