辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 行き場のない怒りをどこかにぶつけたかったが、次の瞬間、ふっと気が抜ける。

(なんのために頑張ったんだろう)

 もしも本当に追い出されれば、きっともうランベールには会えない。

 いくらリティが貴族の身分でも、簡単に会って話せる立場の相手ではないからだ。

(ちゃんと好きって言えていなくて、むしろよかったのかも。だって妃になれないなら、伝えても困らせるだけだわ……)

 朝の心ない言葉の数々の代わりに、ランベールからもらった温かい言葉を思い返す。

 ランベールはただひとり、リティを信じて味方してくれた。

 心残りがあるとすれば、その礼を伝えられていないことだ。