辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 それをいいことに、イーゼル卿はリティシアを哀れみの目で見た。

「仮にリティシア様が妃になったとして。生まれた子は果たして殿下の――」

「舌を抜かれたくなければ黙っていろ」

 ランベールの瞳が真紅に燃えている。

苛烈な炎の色に睨まれ、さすがのイーゼル卿も一瞬口ごもった。

「……花を咲かせるだけしか能のない女性に、屈強な騎士を拒み切ることは不可能です」

「黙れと言ったはずだ」

「殿下、冷静にお考えください。リティシア様を候補に残すか否か、最終的には議会で判断いたしましょう」

 これ以上はもう限界だった。

 見たくない現実から目を背けるように、リティは意識を手放した。