辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「わたくしが昨夜、外に出ていた理由はこの手紙です。特定されないようにするためか、筆跡が乱れておりますが、『庭園にて話がある』とあります」

 イーゼル卿は受け取った封筒を確認し、横で見守っていたランベールに手渡した。

「たしかにそう書いてある。これを送る人物に心当たりはあるのか?」

 ランベールが尋ねると、デルフィーヌは悩んだ様子を見せてから首を横に振った。

「いいえ」

「リティシア様なのでは?」

 イーゼル卿の言葉に、デルフィーヌが驚きの表情を浮かべる。

「私はそんな手紙なんて知りません!」