辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「ううん、心配してくれて本当にありがとう」

 ロべールの節くれだった大きな手がリティの髪をなでる。

 そして、最後にぎゅっとリティを抱きしめた後、彼女から一歩離れた。

「承諾した以上、君は正式にランベール殿下の妃候補だ。選出の公平を期すためにも、向こうでは手を貸せなくなる」

「会えないの?」

「そうだね。でも、マルセルたちと同じように私もいつも君を思っているよ」

 心細さがよぎるも、リティはそれを顔に出さなかった。

 代わりに上手に笑顔を作り、ロベールから離れてヒューイの首も抱き締める。

「ヒューイともまたしばらく会えなくなっちゃうわね。元気にするのよ」