辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「デルフィーヌが庭園へ向かって歩いているところを見た気がしました。どうしたのかと思い、追いかけたところで件の騎士に……」

「わたくしを尾行しようとしたの?」

 久し振りのデルフィーヌとの会話は、非常に緊迫した空気の中で行われた。

「時間が時間だったから、なにかあったのかと思ったの。最近のあなたは様子がおかしかったし、心配だったのよ」

「……余計なお世話よ」

 デルフィーヌは不快感を隠そうともせずに言うと、手に持っていた封筒をイーゼル卿に差し出した。