辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 力では敵わない相手に襲われた衝撃がよみがえり、リティの目に涙が浮かぶ。

「わた、私……」

 ランベールが険しい表情でリティの肩を抱き寄せた。

「ジョスラン。悪いが、お前には任せられなくなった」

「……承知しました」

 承諾はしたものの、ジョスランはなにか言いたげだった。

 だが、結局なにも言わずにその場を後にする。

「怖かったな。どうしてこんなところにいたんだ。妙な事件が続いて危ないとわかっていたはずだろう」

 責めた口調ではないが、責められても仕方がないほどリティはうかつだった。

 精神的にきつい状況が続いていたせいで、考える力が弱っていたのは否めない。