辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「どうした」

「す、すみません。立てなくなっちゃって……」

 そこにがさがさと音を立ててもうひとり現れる。

「殿下、敵が近いかもしれま――」

 ジョスランはリティを見て訝しげな顔をした。

 しかしすぐ、ランベールに視線を戻す。

「あちらに警備兵が倒れていました。何者かの攻撃を受けたようで、意識はあるのに声をかけても返事がありません」

「わかった。お前はリティシアを部屋まで連れて行け」

「だめです、待って」

 リティは思わずランベールを引き留めていた。

「私を襲ったのはその人だと思います。ぼんやりしていて、手に噛みついても反応しなくて……」