辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 聞き覚えのある声に顔を上げると、そこにはランベールがいる。

 なぜ彼がこんな時間にいるのかなど、今のリティには考えられなかった。

「あ、あっち……いきなり襲われて……」

「なんだと」

 ランベールは眉根を寄せ、リティを見下ろしてからふっと目を逸らした。

「もう大丈夫だ」

 ゴーレムから助けてくれたときと同じように言うと、ランベールは自身の上着を脱いでリティの肩にかける。

「着ていろ。君の肌をほかの男に見せたくない」

「あ……」

 まだランベールの体温が残る上着を着せられ、リティは一気に彼を意識した。

 安心したのもあり、どっと身体の力が抜けてへたり込んでしまう。