辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 騎士がゆっくりとリティに視線を向ける。

(なにか、変だわ)

 リティはその動きのぎこちなさに妙な違和感を覚え、距離を取ろうとした。

 しかしその前に素早く腕を掴まれ、低木の陰に引きずり込まれる。

「離し――」

 叫ぼうとしたリティだったが、手で口を塞がれる。

 男はひと言も発しない。機械的にリティの腕を押さえつけ、覆いかぶさる。

そしてリティの服の襟ぐりを掴んだ。

「……っ!」

 勢いよく引っ張られた服からボタンがはじけ飛ぶ。

 両手首をまとめられ、頭上に縫い留められたリティは、声にならない悲鳴をあげて必死にもがいた。

(誰か助けて……!)