辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

(やめて、デルフィーヌじゃないわ。だってもしもデルフィーヌが犯人だったら、ゴーレム騒ぎのときに私たちを広間まで連れて行かなくてよかった。エリーズを探しに行こうとした私を止めたのだってデルフィーヌだわ。ニナのときもすぐ人を呼びに行ってくれた……!)

 嫌な想像を振り払い、リティはこの先にいる相手が彼女ではないことを強く願った。

 やがて入り組んだ庭園を抜け、人影を探していたリティは足を止めた。

「すみません、お聞きしたいことがあるんですが」

 この近辺を警護していたらしい騎士を発見し、声をかける。

「誰かここを通りませんでしたか? 候補者のひとりが出て行くところを見かけて……」