辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 近くを通れば逃げられ、声をかければ聞こえなかった振りをされる。

 さらに悪いことに、候補者たちは全員東の別邸に集められてひとりひと部屋での生活を命じられた。

 唯一、話し相手になってくれそうだったデルフィーヌとも離れてしまい、リティは本格的に孤独になる。

 与えられた部屋は四人部屋だった頃より広く快適だったが、その広さが余計に寂しさを煽った。

(……ブランシュもいなくなってしまった)

 予想通り毒を盛られていたブランシュは、手足に麻痺が残るからと自分から妃候補を辞退した。

 別れの挨拶も満足に言えないままだったことを、リティは今も引きずっている。