辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「いいかい、リティ。酷なことを言うかもしれないが、君はもっと広い世界を見るべきだ。そして、一生をともにできる人を見つけ出すべきだと思う」

「……うん、そうね」

 リティにとって、ロベールはいつも気のいいおじさんだった。

 かつては戦鳥の背で縦横無尽に槍を振るったと聞いても、実感がわかないほどに。

 そんな彼が真剣な顔で、リティの未来を心配してくれている。

 彼女の家族が戦いに身を置く者ばかりだと知っているからだ。

 彼は戦いで多くの友人を見送ってきたからこそ、ひとり取り残される気持ちを理解している。そしてリティにはそんな思いをさせたくないと思っているのだ。