辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 そうはいっても今さら帰るとも言い出せず、リティは黙って席に座っていた。

「もっと早くにこういう会を開いておけばよかったわ」

「あら、三百人とお茶会なんて大変よ」

「そういえば最初はそんな人数だったわね。忘れていたわ」

 楽しげな少女たちの声が、別の世界の言葉のように聞こえる。

 そんなリティの目の前にあったカップに、お茶会の主催者らしき少女がお茶を注いだ。

「どうぞ。私が自分で調合したお茶よ」

「ありがとう。すごくいい香りね」

「そう言ってもらえるとうれしいわ。この香りと味を引き出すために、何年かかったか……」