辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「ただ、さっきも言ったように無理はしなくてもいいんだ。殿下に選ばれなかったからといって、リティが悪いわけじゃないよ」

「候補に選ばれるだけで箔がつくし?」

「ああ。今の国王陛下のときも、元候補者たちの嫁ぎ先は引く手数多(あまた)だったそうだ。なにせ、多くの令嬢から選ばれたということは、王家から身元や人柄を保証されたのと変わらないからね。それになにより、お妃様と面識があるというのは社交界において強い武器になる」

 残念ながらリティには、なぜ知り合いであるだけで社交界の武器になるのかわからなかった。

 彼女は十七歳になった今でも、貴族たちの社交界に出た経験がないからである。