辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「私の感覚でしかないけど、デルフィーヌはそういうことをしないと思う」

 リティはブランシュを見ずに雛を撫で続ける。

「ここに来てからずっと、妃としてふさわしい振る舞いをしてきたし、そうするように言ってきたから。自分だけ悪いことをするとは思えないわ」

「リティが言うなら、きっとそうなのね」

 隣にしゃがんだブランシュが雛を覗き込む。

 雛は鳥丁でもリティでもない人間に驚いたらしい。くちばしをかちかち慣らして警戒し、リティの手のひらの下に隠れようとした。

「大丈夫よ。私の友だちなの」

 リティはもふもふした雛をあやしながら言い、やがて立ち上がった。

 ブランシュもそれに続く。