辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「あ……ううん、気にしないで。それにしても珍しいこともあるのね。ここには私くらいしか来ないんだと思っていたのに」

 リティは話を逸らし、なんでもない振りをした。

「お願いすれば実家に手紙を送れると聞いたの。それで来てみたのよ」

「ああ、そういうこと。ついでに雛を撫でていくといいわ。すごくかわいいの」

 控えめに戦鳥の雛のよさを伝えるリティだったが、ブランシュは曖昧に笑って流した。

「リティこそ、珍しいところを見たわ。誰かと言い争うようには見えないのに」

 デルフィーヌとのことがよほど気になっているらしい。

 再び話を逸らすのもおかしな気がして、リティは肩をすくめる。