辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「わたくしをこそこそ嗅ぎまわるのはやめて! 人の荷物を漁るなんて……そこまで卑しい人だとは思わなかったわ!」

「……荷物?」

 なんの話をされたのかわからず、リティはきょとんとする。

 それが癇に障ったのか、デルフィーヌは眉を吊り上げて言った。

「あなたの目的はなに? なぜこの妃決めの舞台に乗り込んだの?」

「待って、デルフィーヌ。なにを言っているか全然……」

 リティには先ほどからデルフィーヌがなんの話をしているのか、本当に理解できない。

 しかもデルフィーヌの瞳に浮かんでいるのは、リティはの怒りというよりも怯えや恐怖だ。