辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 リティは班員に声をかけ、布にくるまれたものを王妃の前に運んだ。

 略式で礼を済ませ、『それ』を覆っていた布を取り払う。

「これは……?」

「リコバの種でございます」

 大理石の小箱にちょこんと置かれているのは、なんの変哲もない茶色い種だ。

「これまでの候補者たちは実の紹介をしたが、そなたたちは種を紹介すると?」

「いいえ、リコバのすべてを紹介いたします」

 リティの喉は緊張でからからに乾いていた。

 説明係として班員の中から選ばれたのは、リティの能力が今回の発表で最も重要になるからである。

「まずは種を利用した品からご覧ください」