辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「こんなことをすれば、自分の望むものが手に入らないことをよくわかってます」

 デルフィーヌとジョスランは、家門同士の親交が深く幼い頃から付き合いがある。

 顔なじみ以上の間柄だが、妃の選抜が始まってからは一度も言葉を交わしていない。

「未来の王妃の座か?」

「まあ、間違っちゃいないですが」

 煮え切らない態度に引っかかりを覚え、ランベールが首を傾げる。

「デルフィーヌがなにを求めているのかを知っているんだな」

「一回だけ聞いたもんで。でも言いませんよ。忘れたことになってるんです」

「……お前はそれでいいのか?」

 なにに対しての質問なのか、語らずともふたりにはわかっている。