辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 それはエモニエに生きる民が持つ妖精の祝福と同じく、理屈で説明できない神秘の力によるものだった。

「広間に続く回廊への扉も厳重に管理されていたはずだ。そもそも、どうやってそこを見つけ出し、警護をくぐり抜けたのだと思う?」

「当時、警護を担当していた騎士たちは騒ぎの最中でも持ち場を離れませんでした。かすり傷ひとつ負わず、しかも侵入前後の記憶が曖昧となると……」

「ここに騎士たちを無力化する能力を持つ者が潜んでいるわけだ」

 城に勤める者たちが妖精から与えられた能力は、城内の学者によって管理、記録される。