辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「今は例の解決が優先だ」

「やっぱり先日のゴーレムは封印を解くための陽動でしょうかね」

「そうだろう、とは思うが。問題は誰の仕業かだな」

 ゴーレム騒ぎの裏でなにがあったのか、国の中枢に関わるものしか知らない。

 凍らない湖の上に佇む城のどこかには、炎の妖精がいる――。

 おとぎ話のように語られているそれは、事実だった。

 城の真下、湖の奥深くに『炎の間』と呼ばれる場所がある。

 巨大な泡に包まれた広間は人知を超えた力によって封じられており、王族と、王族に許された者以外を拒んだ。

 ゆえに、炎の瞳を持つ者たちは封印を破ろうとした侵入者の存在にすぐ気づく。