辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 リティとの短い空の逢瀬を終えたランベールは、姿が見えなくなるまで彼女の背を見送った。

 それに気づかないジョスランではなく、自分より小指一本分背の低いランベールを見下ろして言う。

「好きなんですか?」

「ああ」

 ランベールは誤魔化さずに自分の想いを伝えた。

「初めて出会ったときから特別だった」

「……物珍しいだけじゃなかった、と」

「そう思い込もうとしていただけだ」

 こんな話を鳥丁たちに聞かれるわけにはいかず、ふたりは空を駆けて満足げな戦鳥を預けてから歩き始めた。

 城へ向かう途中ならば、警護の騎士しかいない。

「……あのまま、どこかへ連れ去ってしまいたかった」