辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「名で呼んでくれ。君の前では、ただのランベールでいたい」

 星がきらめく夜空も、普段は絶対に見られない上空からの景色も、大好きな戦鳥のふわふわの羽毛も、リティの目には入ってこなかった。

「……こんなに近くであなたの目を見たのは初めてです」

 熱く、温かく、眩い炎の瞳から目を逸らせない。

「君の瞳はきれいだな。初めて話したときからずっと思っていた」

 ランベールの顔が近づくのを感じて、リティは無意識に目を閉じていた。

 この先のことは知らないのに、そうすべきだと本能が悟ったからだ。

「リティシア」

 触れる寸前、ランベールがリティの名を呼んだ。

「君が好きだ」