辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 ロベールは厩舎の柵にもたれ、リティに手招きをした。

 リティがおとなしく彼のもとへ向かうと、ヒューイが名残惜しげに鳴く。

「マルセルは君の判断に任せるそうだ。あいつにとっては不運だったかもしれないが、君にとっては幸運な話だからね」

「父さんはほかになにか言っていた?」

「君の幸せだけを願っていると」

 リティの胸が小さく疼く。

 マルセルは過保護だが、愛すべき父親でもあった。

「妃候補になったら、ちゃんと選ばれるために頑張らなきゃいけないのよね? 未来の王妃様になれるような勉強なんてしたことがないから、大丈夫なのかと思って……」