辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 戦鳥の乗り心地は最高としか言いようがなかった。

 ほとんど揺れず、翼を動かす音も雑音だと感じるほどは聞こえない。

 頬を撫でる風はかなり冷たいが、今のリティにはちょうどよかった。

「少しは気が紛れたか?」

 ランベールが器用に手綱を操りながら言う。

「どういう意味ですか?」

「こんな時間に鳥舎にいたのは、また悩み事があったからだろう? いくら君でも、いつ始まるかわからない孵化を待つとは思えない。平常時ならともかく、今は妃選びの最中だからな」

 それを聞いたリティの胸がぎゅっと締め付けられた。

(私のことを理解してくださっている……)