辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 そして驚くほどなんの抵抗もなく空に飛びあがった。

 戦鳥が、荒い気性に噛み合わない優雅さで空を舞う。

 手を伸ばせば星が届きそうだった。

(なんて素敵なの……)

 地に足をつけていては絶対に経験できない感動に打ち震え、リティは一瞬だけ背中のぬくもりを忘れる。

「ちゃんと目を開けているだろうな」

 しかしランベールの声が耳のすぐそばで聞こえたため、また硬直してしまう。

「だっ、大丈夫です」

 いつの間にか地面は遥か下にあった。

 リティはどきどきしながら下を覗き込み、畏怖にも似た感情を覚える。

(世界の広さに比べたら、私ってなんて小さいのかしら)