辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 こわごわと目の前の羽毛を掴んでみる。

 意外としっかりした感触で、簡単には抜けそうにない。

(痛がっていないようだし、これなら……)

 思わぬ安定感に安堵したリティだったが、背後のランベールを意識してすぐにそれどころではなくなった。

「大丈夫だ。君だけは落とさない」

 ランベールの声は、あまりにも近すぎた。

 しかもリティは今、ランベールに後ろから抱き締められている。リティの身体を支え、落ちないように固定するためだ。

(心臓が壊れちゃいそう)

 空を飛ぶ前から目を回しかけているリティをそのままに、戦鳥が鳥舎を出て大きな翼を広げる。